買い物ブギウギ…♪

作/ともっち

買い物ブギウギ…♪
               



今年最後の検診結果を聞く為に、メディカルルームを訪れた石川は、ふと真顔になり橋爪へと質問した―

「Dr…次の休みは空いてる?」
「はい、空いていますが…どうかしたのですか?石川さん」
「うん…ちょっと買い物に付き合って欲しくて…ダメかな?」

心配そうに聞いてくる石川に、微笑んで橋爪は―

「大丈夫ですよ。」
「よかった…じゃあ…」

カレンダーを見て暫し考えた、石川は『11時にEゲートで。』と言い残し、現れた岩瀬と共に館内巡回へと戻っていった。その姿を見て、橋爪は…カレンダーを見て『あっ』と声を上げる。

「…もしかして…」

今は12月―クリスマス・イブまでは、あと10日となっていた…



   * * *



「Dr…お待たせ!」
「いえ。私も、今来たところですから」
「じゃあ、行こうか」
「えぇ」

二人は並んでゲートをくぐる。
その姿を見た哀川と檀が石川達へと声を掛けた―

「今日はお二人でお出かけですか?」
「あぁ、後は頼んだぞ」
「はい、お気をつけて―」
「いってきます」

仲良く話しながら、歩いていく姿を見送っていた哀川と檀の背後から今度は岩瀬がゲートをくぐった…

「岩瀬さん?」
「ん?あぁ…隊長はもう出かけた?」
「えぇ、先ほどDrと一緒に…」
「そっか…ありがとう」
「岩瀬さんもお出かけですか?」
「え…あぁ、そうなんだ」

どこかソワソワと普段では見られないカンジの岩瀬に檀は苦笑して―

「隊長は地下鉄の方に行かれましたよ」
「…ありがとう、じゃあ…」
「はい。お気をつけて」
「あぁ…」

後を追う―というカンジではないけれど…岩瀬も石川達が消えて行った地下鉄の入り口へと姿を消した。

「…あれって…尾行?」
「半分当りで、半分間違い。」
「えっ…それってどういう…」

哀川の素朴な疑問に檀はサラリと受け流し…

「さぁ、仕事仕事。早く戻らないと班長に怒られるよ?」
「おぉ!ヤバイ!!戻るぞ」

怒らなくても迫力満点の外警班長の姿を思い浮かべ、哀川と檀は監視室へと戻り始めた。



   * * *



石川と橋爪の二人は某有名百貨店へと入り、アレコレと話していた―
そして、商品を手に取り、真剣に悩む石川へと橋爪は質問する…

「プレゼント、岩瀬へですか?」
「えっ…うん…」

恥ずかしそうに、ホンノリと顔を赤らめて頷く石川を見て、橋爪もホンノリと笑う。そして…

「一緒に買い物に出てもよかったんじゃ…?」
「…そうなんだけど…たまにはDrと一緒に買い物もしたいし…それに…」
「やはり『秘密』にしておいた方が、楽しいですからね…」
「うん…そうなんだ。Drは西脇に何かプレゼントするのか?」
「いえ…特には考えていませんが…カードぐらいは送ろうかな…と」
「カードか…きっと西脇も嬉しいと思うよ」
「そうでしょうか…」
「あぁ、アイツもイベントとかあんまり気にしない方だし…」
「そうですね…でも記念日はしっかり覚えていますよ?」
「あはは。そうだろうな…抜かりないヤツだし」
「えぇ…私のほうがよく忘れていますよ…」
「いいんじゃないのかな?」
「そうでしょうか…」
「うん、だってアイツそんなDrが好きなんだと思うし…」
「石川さん…」

サラリと爆弾発言をする石川に、橋爪は苦笑を漏らす。一方、苦笑された原因がよく解らない石川は首をかしげて不思議がる…。そんな石川に橋爪は笑みを深くして…言葉を濁した。

「ところで石川さん…」
「なんだ?」
「アレは…大丈夫なんですか?」

橋爪が指差す先は…階段へと続く踊り場の一角。
そこには、デカイ体を隠しているのか、いないのか…よく解らない感じで、多分隠れているつもりの岩瀬の姿が…

「あぁ…放っておいていいよ…」
「でも…心配で付いてきてるんでしょうし…」
「いや。アレでバレてないって思ってる方がドウカしてるよな…アイツ本当にA級SPなのか…?」

そんな石川の言葉に橋爪は苦笑するしかなく…

「ではそのままで?」
「あぁ、用事があれば来るだろうし。」

まるで気に掛けていない石川の態度に橋爪は笑ってしまう。

「ふふ…では、石川さんとの買い物を楽しみましょうか」
「勿論。じゃあ、Dr…次、どこへ行く?」
「そうですね…雑貨を見たいので上の階へ上がりましょうか」
「そうだな」

アレコレと、動かない方が岩瀬の為だと判断して、橋爪はそう提案した。そんな橋爪の真意に気付いた石川は、苦笑とともに頷く。そして二人並んで、エスカレーターへと歩き出した。
そんな二人を追いかけて…コッソリ(?)と岩瀬も移動する…。



   * * *



雑貨コーナーを一通り見終わり、それぞれ目的の品物を購入した二人は、その足で休憩しようとカフェへと足を運ぶ。そこで橋爪の携帯が鳴った。着信画面には西脇の文字が…。

「はい…」
『紫乃?もう、買い物終わった?』
「えぇ…」
『じゃあ、そろそろ帰ってくる?』
「これから石川さんとお茶でもしようかと…」

お茶でも…という橋爪の言葉に一瞬黙り込んだ西脇はおもむろに。

『…石川と代わってくれる?』
「石川さんにですか…?」
『うん、直ぐに済むから』
「はい…」

橋爪は西脇に言われるとおり、石川へと携帯を差し出す。

「Dr?」
「西脇さんからです」
「俺に?」
「はい…代わってくれと…」
「なんだ…?」

西脇が、代わってくれという理由が解らない二人は、顔を見合わせながらも…石川が携帯を受け取る。

「石川だが…なんだ?西脇」
『石川…そろそろDrを返して欲しいんだけど…』
「…出たな。独占欲」
『人の事は言えないだろう…』
「ドコが?」
『岩瀬が付いて来てるのを楽しんでたくせに…』
「…あれはお前が仕掛け人か!」
『楽しかっただろう?』
「…ホント、馬鹿なことを…」

石川が心底呆れた。と溜息をついていると…橋爪がソワソワと成り行きを見守っている姿が眼に映る。
そして、その遙か後方にはウロウロとする岩瀬の姿が…。なんだか西脇に意地悪を仕掛けるのも馬鹿らしくなる光景だ…。石川は深い溜息を一つつき…電話口で待っている同期へと返事する。

「…お茶ぐらい一緒でもいいだろう。どうせ、外食するんだろう?そこで待ち合わせればいいじゃないか」
『…やだね。Drと代わって』
「おまっ…」
『早く』
「…お前は本当に我が侭だな!」
『今更』

西脇の言い分に呆れ果て、石川は橋爪へと携帯を返した。よく解らないまま携帯を受け取った橋爪は困り顔で…石川は疲れた笑いを浮かべ、西脇とのやり取りを簡単に説明した。

「…すみません…」
「いや、Drが悪いわけじゃないから…」
「でも…」
「…とりあえず、西脇が待ってるから…電話出てやって?」
「あっ…はい」

石川に指摘された橋爪は、慌てて電話の向こうの恋人へ話しかける。

「西脇さん!」
『紫乃?』
「…石川さんに失礼でしょう…」
『石川はいいんだ。紫乃は?俺に早く合いたくない?』

西脇のズルイ問い掛けに橋爪は一瞬黙り込んで…

「本当に貴方は…」
『ズルイのが好きなくせに』
「…そういう貴方は意地っ張りがお好みでしたよね?」
『紫乃…?』
「ここで石川さんと待ってますから。私に早く会いたければ…即行で仕事を終わらせて来て下さい。」
『えっ…紫乃!?』
「では、頑張ってくださいね」
『ちょ…』

西脇の反論を許さず、橋爪は電話を切った。そして、石川へとニッコリ笑って…

「西脇さんが来るまで、お茶しましょう」
「…Dr…」
「勿論、岩瀬も一緒に」
「…そうだな…」

ニッコリと最強の笑顔で微笑む内科医、橋爪。
彼を怒らせてはいけないと石川は強く再認識した、そんな冬の出来事だった…。





そして、きっかり一時間後―
汗だくでやってきた西脇を出迎えたのは、居所無い感じの岩瀬と、思いっきり苦笑な石川と、最強の笑顔な橋爪だった…。



きゃわぁぁぁぁぁぁい♪

ともっち様んちのキリバン14000を、幸運にも踏み踏してたのです♪
豪華に贅沢に、基悠&西橋 2カップルですv


ありがとうございますvvv


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