カーニバル狂想曲♪

―乙女達の競演―

≪中編≫

  2月に入ると、国会内では、いろいろなところで、このカーニバルの話題がされていた。


 某代議士の控え室では…

「女どもめ、まったくめんどうなイベントをしてくれるものだ#当日のわしのスケジュールはどうなっておるのだ!!」
「はい。 その日は、午前中は党の役員会に出席、お昼は後援会の方との会食、午後からは国会内にて審議会に出席…」
「おい、その審議会は欠席できんのか?!」
「はい。重要法案提出の為のものですから…」
「あぁ、あの案件のか…ならしかたがないな」
「これも次の選挙の為とお思いになってご辛抱下さい」
「国会職員の女どもに愛想をしてなんの得があると云うんだ?!#」
「彼女たちを侮ってはなりません。ここで無愛想にでもなされば、たちまち口コミやWeb上で好き勝手言われてしまいます。そうなれば、お国元の有権者…特に女性達に先生の印象が悪くなってしまいます。こうゆう些細な事での女性の目は厳しいですから」
「くそ、忌々しいのぉ〜#」
「逆に、ネクタイ1、2本と愛想だけで、女性達に先生の評判が揚がるのでしたら安いものです」


 記者クラブ内では…

「俺達までもがターゲットに含まれているとはなぁ〜(ーー;)」
「正直いい迷惑だよなぁ〜」
「薄給の俺には、一張羅のネクタイを切られてしまうっつうのはナケナシの懐に響いてイタイね(><;)」
「女房の奴の愚痴が今から聞こえてるぜ;;」
「とは云え、当日、取材を放棄するワケにはいかないもんなぁ〜」
「政治部記者としては、いささか趣が違うけどな(^^;)」
「だよな(笑) まるでスポーツ芸能記事になりそうだぜ」


 あるフロアーの給湯室では…

「目標は5本以上ってとこかな」
「そうよねぇ。 単純に全対象者の男:女比率から云えば、一人頭20本は確実に割当てられるんだけどねぇ。」

 どうやらここでは、乙女達のほんの一部が当日の成果目標を予想しているようだ。

「当日に出張する人やお休みの人も居るものね。」
「業者の人なんか、いつもはきっちりネクタイしてくるくせに、切られたくなくて当日だけ態と、作業着なんか着て来るかもよ」
「それ“有り”かもっっ」
「そういう卑怯者は、後日お仕置きしてやるぅぅぅぅぅ」

 どっと笑い声が広がり、どんなお仕置きにしようかぁ〜、などと脱線ぎみにひとしきり盛り上がった。
 
「あとは…、逃げ切られてタイムアウトになっちゃう可能性もあるわね…」
「その可能性が一番強いのがDG隊員よ!!」
「なんたって、あの人達は議事堂内を熟知しているものねぇ〜(ーー;)」

 うんうんと、全員が頷いている。

「私なんて、エントランスホールとエレベーターや階段と、自分のオフィースの在るこのフロアーでしょ、あとは職員専用食堂に売店とカフェぐらいしか足を踏み入れたことが無いんだもん;;」
「一般職員なんてみんなそんなもんよ」
「議員や秘書だって、案外自分のテリトリー以外は行動しないと思うわよ」
「だから、やっぱり問題はDG隊員よっ!!」

 握り拳をつくり闘志をみなぎらせて言い切る。

「彼等相手の“鬼ごっこ”に勝利するには、私達“鬼”がばらばらに競い合ってたんじゃぁ余計に不利よ!」
「平隊員さん達はまだしも、人気のある人に関しては、狙ってる“鬼”も多いから競争率が高いものね。お互い牽制し合ったり、足の引っ張り合いなんかしてる場合じゃないわね」
「そうね。 皆で包囲網でも作らないと、絶対に逃げ切られるわね!」
「よしっ!! そうとなったら他の部署の“鬼”さん達にも話を持ち掛けてみましょ」
「うんv 乙女の連携プレーで“大物”Get!!」

 誰某のが欲しいだのと盛り上がっているものだから、いつのまにかついつい声が大きくなってしまっている。
 彼女たちのそんな密談(笑)を、こっそり聴いてしまった者達がいた。

 このフロアー担当のDG室班隊員の二人は、警邏中に通りかかった給湯室から、女性たちの話し声が聞こえてきたので、いつもどおり『何か不審なモノなどはありませんか?』と声をかけようとしたところ、たまたまちょうど『やっぱり問題はDG隊員よっ!!』というフレーズが聴こえて来た為、柱の陰に隠れて、彼女達の“密談”を聴いてしまったのだった。

「「こ、怖えぇぇ〜!!」」

 一通り聴き終えた彼らは、気付かれないようにこっそり通り過ぎてから、思わず漏れしまったのがそんな一言だった(^^;)
「今の、総務の女の子達だよな?!」
「あ、あぁ… たぶんそうだと思うけど… 彼女達があんなに迫力あんのなんて知らなかったぜっ」
 顔を見合わせてうんうんと頷きあってしまう。
「アレってやっぱ、来週の木曜日の事だろ」
「なんか、こっちが考えている以上に、女性達のテンションが高けぇーぞ」
「単なる“お遊び”と思ってナメてたら、とんでもない目に遭いそうだな(^^;)」
「マジだぜ;; 本来の任務とは違うけど…一応、このコトを班長に報告しようぜ」


 こうして、乙女達のワクワクvと男達のドキドキ;;が、冷たい北風と共にMAXに達して行った。

         

 202○年2月×△日(木曜日)

 ついに、【乙女のカーニバル】当日がやってきた!!
 男達の心内を尻目に、まるでお天とう様も乙女達を激励するかのようなピーカンの小春日和である♪

 朝は乙女たちも通常通り出勤し、多少、うきうきvそわそわしながらも普通にお仕事に励んでいた。
 そして、10時59分過ぎあたりから、彼女達は自分の職場でワクワクvとハサミを持ち構え、一斉にカウントダウンを始めた。

『…12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、
カーニバルスタート!!


 To be continued…

あっ、やっぱりまだ終わらず、後編に持ち越しと
なってしまいました(f^^;)











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