06'クリスマス企画


12月のある日の寮内ラウンジにて…
    今年はとっても大きなツリーです♪
    今日のシフトが夜勤の悠さんと岩瀬が
    有吉くんのお手伝いをしています(*^^*)


  
なんと、嬉しいことに【24/7】ともっち様が素敵なシーンに
         仕立ててくださいましたぁvv
  

岩瀬 「石川さん!これは何処につけましょうか?」
石川 「うーん…その辺りか?」 
岩瀬 「この辺?」 
石川 「あぁその辺で!」 
岩瀬 「…うん!イイカンジvv」
有吉 「あ!隊長と岩瀬さん!お疲れ様です」 
石川・岩瀬 「「お疲れ様」」 
石川 「こんなもんでいいのか?有吉」
有吉 「えぇ!とても素敵ですvvきっと他の隊員たちも
        喜ぶとお思いますよ?」 
石川 「そうかな」
岩瀬・有吉 「「勿論ですとも!」」 
石川 「有吉も…何時もご苦労様」 
有吉 「いえ!好きですからvv」
石川 「そっか。じゃあ。俺たちはこれで…」 
有吉 「お休みの所、手伝っていただいて…
       有り難う御座ましたm(_._)m」
石川・岩瀬 「いや、俺たちも楽しかったよ、じゃあ。」 
有吉 「はい!お疲れ様でした」

そしてその後―石川の付けた飾りだけが、やけに鍍金が剥がれていたらしい…←皆が触りまくり(笑)


  
ともっち様v ありがとうございますっっっ!!!!!
21日の夜
今日は石川さんの隊長就任記念日でした。

今年もまた、隊員達の有志がお祝いを企画していたのですが、委員会(宮沢さん)よりの通達により、
賑やかなパティーが禁止されてしまったのです。(ーー;)

その代替にと、立案されたのが食堂厨房奥のチーフ・ルームでの“会議”という名目の内輪だけの
ささやかな祝宴でした(*^^*)
(ええ、そうです。仕掛け人は西脇さんです)

参加者は、本日の主役の石川さん。当然のこと岩瀬。
石川さんの同期のクロウさんと宇崎さん。あとは、真矢とアレク。部屋の主の岸谷さんと池上。
もちろん仕掛け人の西脇さん。そして、私も参加させていただきました。
途中、夜勤に就いていた篠井さんとマーティーも休憩時間に少しだけ顔を覗かせてくれたのですよ。

今年のサプライズは何かと云えば、内藤さんと有馬さんから、お酒が送られてきた事ですね!
それも、とても珍しい銘柄の吟醸酒でしたv シャンペンじゃないところが、あのお二方らしいです(くすくす)

3時間ほど過ぎ、そろそろお開きにということにりました。
明日の勤務に差し支えては大変ですからね。
それでも、祝宴の主役の石川さんは結構呑んだようで、上機嫌ながらも足元が覚束ない様子。
それに、廻りも気の置けないメンバーばかりな上、アルコールのせいもあるのでしょう、
なにやら石川さんの態度が大胆なような気がするのですが… 大丈夫でしょうか?!
トロ〜〜ンとした表情でご自分から岩瀬の首に腕を廻して抱きつくようにしています///
で、でも、私が心配することはないでねよ。
そんな石川さんを、岩瀬は嬉しいような困ったような複雑な顔をしながらも
しっかり腰を支えて護っていますから(*^^*)
部屋への道すがら時々、石川さんが少し前を歩いているアレクの方にも手を伸ばし、
その髪を引っ張って遊んでいます(くすくす)  なんだか石川さん可愛いですね♪
あはは、クロウさんも一緒になってアレクをからかってます(ふふふvv)
一番前では、やはりほろ酔い加減な宇崎さんを、真矢がエスコートしています(*^^*)

「紫乃。 楽しそうだね」
急に呼び掛けられて驚きました!
右上に視線を上げると、おどろくほど近くにある西脇さんの柔らかい瞳に出くわしてしまいました///
(ドキドキドキ///)
「み、みんながとても幸せそうだから、嬉しくて…///」
「俺も嬉しいな。 紫乃が積極的になってくれて」
「えっ?」
西脇さんの視線を辿って目を少し落として見ると、な、な、なんということでしょう///
わ、私ったら、いつの間にか西脇さんの左腕をギュッと自分の右腕で胸に抱きこんで
歩いていたのです///
「え、こ、こ、これはっ//////////」
恥ずかしくって慌ててて、西脇さんの腕から、思わず小さく万歳するよに自分の両手をパッと
離して立ち止まってしまいました///
私が抱きかかえていた状態のように空間をそのままに、虚空に左腕をぶら下げた西脇さんは
「う〜ん 残念」と笑いながらも私を手招いてくれました。



皆で乗ったエレベーターから、各フロアーでそれぞれが降りてゆき
最後は石川さん達と私達だけになりました。
チン♪と軽やかな音とともに緩やかに止まったエレベーターから降りた私達は
ホールの少し先で二手に別れした。
石川さん達の部屋は、この廊下の突き当りを曲がった先にある角部屋で
私と西脇さんの部屋は、すぐそこを逆に曲がった角部屋なのです。
「お疲れ様でした」 「おつかれぇ〜〜」
岩瀬に支えてもらい、にこにこほわ〜んと石川さんが後ろをふり返って手を振ってくれました。

「くすくす… 石川さん、幸せそうで良かった」
「ああ。 毎年“この日”を、あいつには笑顔で過させてやりたいもんだ」
「…そう ですね」
本当にその通りです。 もう一人で苦しむ必要なんてないんですよ、石川さん…

感慨深く思い巡らせながら歩いていると、シューンと空気圧の音にハッと我に返りました。
廻りを見れば、いつの間にか部屋に着いていました。
「心ここにあらず…かな」
くすり―と、そうこぼしながら、西脇さんがふいにギュと抱きしめてくれました///
「今から、紫乃さんの時間は俺だけにくれないかな?」
口調は少しおどけながらも、熱がこもった瞳に見詰められ
私の身体の内にも、アルコールの為だけではない熱がわきあがってしまいました。

西脇さんの左手は私の腰を引き寄せ、その右手は私の火照った頬を優しく包み込み
熱い口付けが…

Pi― Pi― Pi― 

なんということでしょう;; 絶妙なタイミングで無情にも西脇さんの無線が鳴り響いたのです!!
驚いて私は目を見開いてしまったのですが、に、西脇さんったらキスを止めてくれないのです///
「ぁ… にし… … ん…」
広い背中に廻した手でトントントンと叩いて促してみても、いっそう強く抱きしめられてしまいました。
Pi― Pi― Pi― 
なおも、無線は諦めず鳴らし続けられています。
西脇さんの流麗な面に深い眉間の皺がよると、ひときわ情熱的にキスされ、
次の瞬間、まるで引き剥がされるような勢いでその唇が離れていき、
くるりと後ろを向いた西脇さんは直ぐに無線を取り、会話を始めました。
私は立っていられなくなり、すぐ横にあったソファーに座り込んでしまいました///

ほぉ〜と呼吸を整えいると、無線連絡が終わったのか西脇さんが、ソワァーにくず折れた私の正面に
しゃがみ込んで両手を優しく包み込んでくれました。
「ごめん紫乃 大丈夫?」
「はい、大丈夫ですよ」
心配そうな表情の西脇さんに、にっこり微笑みを向けると、また眉間に皺が寄ってしまいました。
どうしたのでしょう? 何か大変な事態でも発生したのでしょうか?!!
「ん〜(ーー;) 忌々しい事に緊急呼び出しがかかったよ」
緊急と云うわりには、西脇さんは急いで出かけるそぶりをしないのですけど…
「私は大丈夫ですから、どうぞ早く行って上げて下さい」
「あーと… 事件とかじゃないから心配はしなくていいよ。 だけどね“Dr.橋爪”にも要請がかってる」
「えっ?!」
「一緒に行ってくれる?」
「も、もちろんです!!」



夜勤に就いていた外警隊員の一人が、高熱を出して倒れてしまったという事だった。
原因は、どうやら昨日の日勤時に、見学者の女性が噴水前で記念撮影していて、
後ろに下がりすぎてしまい、噴水の中に落ちそうになったのを、支えようとして
逆に自分がバランスを崩して水中へダイブしてしまったそうなのだ。
その時の冷えが原因で風邪を引いたようなのだが、今日の夕方までは全然
自覚症状が出なかった為、予定通り夜勤に就いていたそうだ。
それが、警邏中に寒風にさらされた為に、こじらせてしまい発熱し倒れてしまったという事。

西脇さんは、交代要員の手配など、班長としての処置をテキパキとこなしました。
西脇さん自身はお酒を飲んでいる為、勤務に就くことはできないので、事後処理が終われば
お役御免になるのです。
私が駆けつけた時には、倒れた隊員はすでにメディカルルームAに担ぎ込まれ
ベッドに寝かされていました。
検温、注射、投薬、点滴など診療が一通り終わったころ、西脇さんがメディカルルームAに
様子を気にして駆けつけてくれました。
「どんな具合だ?」
「無理したせいで、もう少しで肺炎を起こすところでした(ーー;)」
「濡れた昨日は全然平気なようだったがな…」
「ええ。 私も昨日の夕食の時に食堂で見かけた時は、何も異常を感じませんでしたから
あえて声をかけませんでした…  私がもっとちゃんと診てやっていれば…」
「Dr.のせいじゃないよ。 それに今日は一度もこいつとは顔を合わせてなかったんだから
解らなくてあたりまえ。 本人の自覚の問題だよ」



それから西脇さんには先に部屋に帰ってもらい、私は患者の点滴が終了するまでは
メディカルルームに残り、様子を見守りました。
点滴終了後「何か異常があれば、すぐ連絡くださいね」と、夜勤の医務班隊員に指示を伝え
私は西脇さんの待つ部屋へと向かいました。

エレベーターの壁に凭れ、ほっと一息ついていると、自分がまだ白衣を着たままな事に
気が付きました。 いつもはメディカルルームで脱いでロッカーに仕舞って帰るのに…
疲れが出たのでしょうか。 一人で苦笑してしまいました(^^;)

自室のあるフロアーに到着して、エレベーターから降りると、廊下の奥のほうでふらりと動く白い
影が見えました。
何かな?と、ようく視て見ると、なんと純白のバスローブ姿の石川さんだったのです!!
(ああああっ、あなたがそんな姿で、出歩いてはっっっ)
「石川さん、どうしたのですか?」
呼びかけながら、近付いて行こうとしていたら…
石川さんはこくんと首を傾げたかとおもうと、廊下の隅に飾ってある緑の物体に歩み寄って
手を伸ばしたのです。 
そして…
 
「あれぇ もとひさぁ〜 おまえ いつのまにトナカイになんか なったんだぁ〜
おまえは イヌだっただろぉ〜」


そう云いつつ、石川さんは、クリスマス・ディスプレー用に刈り込まれた観葉植物のトナカイの頭を
なでなでして、抱きついていこうとしたのです。

「い、石川さんっ!!」
私は叫んで慌てて駆け寄っていきました!
寝惚けてらっしゃるのか、それともまだ酔ってらっしゃるのか?
どちらにしろ、これはほっておけません;;
こんな石川さんを一人にして、いったい岩瀬は何をしているのでしょう!!!
そう思っていたら、ドタドタと大きな足音と共に
「悠さーんっっ(TT)」
と叫びながら岩瀬が血相変えてやってきました。
「悠さんこんなところにいらしたのですか。もう、びっくりしましたよ! 風呂から出たら、
部屋のどこにも悠さんが居なくなっていたのですから」
はぁ〜とため息つきながら、岩瀬は石川さんの肩に両手を掛けてぐったりと項垂れてしまいました。
すると、石川さんが
「あれっ? こっちに、もとひさがいる〜vvv」と、またまた ぽやや〜んとした口調で
岩瀬の頭をなでなでしたのです。
「えっ、どうしたのですか悠さん??」
撫でられてデレっとしながらも、そんな石川さんの様子に、岩瀬も戸惑っているようです。
そこに、西脇さんまでもが部屋から出てきました。
「いったい何を騒いでいるんだ、こんなところで…」
途中で言葉を止めた西脇さんは、石川さんの姿を凝視しています。
「石川… おまえ、その姿で廊下なんぞをうろうろするな」
と、いいつつも、ぽやや〜んな様子の石川さんには無駄だと考えたのでしょう
今度は矛先を岩瀬に向けたようです。
「さっさと、部屋に連れて帰れ」

―ドガッ―

岩瀬の背にみごとな蹴りが入りました(^^;)


こうして、無事(?)就任記念日は終わったのでした。


えへへへ こんなオチです(*^m^*)

もっとサラ〜っと軽〜く短いSSの予定だったのに、
なぜか、こぉ〜んなになってしまいました(^^;)

初の紫乃さん視点挑戦で、楽しかったですvv

聖夜

12月後半のシフトがはっきり確定した時に、少し遠慮がちに紫乃の方から聞いてきた。
「あの、西脇さん… 今年の聖夜ミサにも一緒に行ってくれますか?」

昨年は、二人とも当日は日勤だった。
紫乃は21時からの聖夜ミサに参列する為に出かけて行き、教会近くで先回りして待ち伏せしていた
俺の姿を見て驚きながらも、共に参列することに、やわらかく本当に幸せそうに喜んでくれた。

だが生憎、今年の24日のシフトは、紫乃は日勤だが、俺は正夜勤だ。
“正夜勤”の時の班長は22時から入る事になっている。だから、聖夜ミサに参列するのは無理だろう。
そう伝えると、紫乃はちょっと戸惑いがちにもきりだした。
「実は、聖夜ミサは21時からの1回だけではないのです」
「ん?」
「19時からと、21時からと、0時からの計3回あるのです。 ですから、急な残業さえなければ
私が定時に終了してすぐにでかければ、19時からのミサに間に合うのです。」
「イブ・ミサって何度もやるものなの?」
「ええ。 “復活前夜(イースター)ミサ”は1度だけですが、クリスマスは何度やってもいいのです。」
「へえ〜、そうなんだ」
「あの… ですから、もし西脇さんさえお嫌でなかったら… 今年もご一緒して下さると… 」
日本でもすっかりクリスマスがお祭りとして定着したとは云え、ミサともなると完全に“宗教行事“な
ワケだから、そういうことに強引に誘うのは、やはり気が引けるのだろう。
無宗教の俺に気を使っているのがひしひしとつたわってくる。

最寄のあの教会なら、ここまで帰ってくるのにさして時間はかからない。だから、19時からの
ミサに参列し1時間ほどで終了してすぐ帰ってくれば、22時からの勤務には余裕で間に合うワケだ。
だったら、俺にはこの“お誘い”を断る理由などありはしない。

「ん。 もちろん俺は嫌じゃないよ。  一緒に連れてってくれる? 紫乃」
顔を覗き込むようにそうお伺いをたてると
「あ///  はい、もちろん喜んで」
―ふわり―と、たおやかな微笑と共に了承の約束をもらえた。





そして、聖夜当日が巡ってきた。

予定通り、紫乃は残業することなく定時で上がり、急いで部屋まで帰ってきた。
「お待たせしました」
「お疲れ様、紫乃。 そんなに慌てなくてもまだ時間はあるよ」
労いながらそう云うと、紫乃は壁時計に目をやった。 その針はまだ17時20分にもなってはいない。
「あ/// つい… 焦ってしまいました///」
ははは(^^)
紫乃がゆっくり仕度している間に、その横で俺は、岸谷に頼んで作ってもらい
部屋まで持って来ておいた軽食を食べていた。 この分量では夕食には少なすぎるが、
足らない分は、夜勤に就いてから休憩時間にでも夜食を摂ればすむ事だ。

そうこうしているうちに18時少し前になった。
「じゃ、そろそろ行こうか」
「はい」
いつものように、少し時間をずらして別々に門をくぐって出かけた。
そして、まるで昨年をリピートするように、俺が、あの道の同じ場所でひょっこりと現れ、
同じセリフで声をかけると
紫乃もはくすくすと笑いながら同じセリフで答え、俺の横に並んで歩いてくれた。
こんな些細な遊びがひどく楽しい。


単にクリスマスと云うだけではなく、ここの土地がら(周辺に大使館が多くある)も関係してだろう、
この教会はやたら外国人の参列者が多い。
職業がら、見覚えのある顔の外国人もちらほらいるのはこの際、無視することにする。

昨年はやたらとカップルが多かったようだが、今年は一つ早いミサのせいだろう
この時間は比較的家族連れが多いようだな。
和気藹々と互いに挨拶をかわす様子がそこかしこにみられる。
「去年と雰囲気が違って見えるな」
「これが本来の様子です。 聖夜ミサが未信者カップルのデート・コースになっているのは
信仰にたいしてアバウトな、日本くらいでしょうね」
苦笑している紫乃に俺がおどけて
「じゃ、俺がデート目的でここにこうして居られるのも、その風潮のおかげなワケだ」
と云うと、ボンと音がしそうなほど紫乃の顔が真っ赤に色づき、小さな囁きが聞こえた。
「…///…あなたは私にとって“家族”と同じですから…///」


人々の流れに従いながら聖堂に入り席に着いた。
補助椅子を出してもなお座りきれず壁側通路にまで参列者が溢れるほどの人の多さの中、
俺達は左側ブロックの後方席中ほどに座る事ができた。
俺自身は立っていても別にかまわないのだが、一日激務をこなした紫乃を座らせてやりたかったので
席が確保できた事に感謝だな。 
(紫乃を座らせたい理由は他にも有るのだが…ふふふv^ー^)
密かな野望を燃やす俺の隣で、そんな事は何も知らない紫乃は、式次第や聖歌集を、
不慣れな俺の分まで準備してくれている。
「ねぇ、 紫乃さんはアレをしないの?」
不意な俺の問いかけに、紫乃が顔を上げて、俺が指差す斜め前に視線を向けた。
そこかしに白いレースのベールを被った女性信者達の姿がある。
「えっ/// あ、あれは女性の信者さんだけがするものです/// 男性が身に着ける物ではせん!///」
もちろん俺だとてそのぐらいの知識はある。 あるけどね(笑い)
「ふ〜ん、そうなの?! 残念、紫乃さんには似合うと思ったのに」
「に、西脇さんっ//////」



パイプオルガンの荘厳な調でミサが始まった。
朗々と響く司祭の声。
キリスト生誕の歓びを謳い上げる聖歌隊と会衆の歌声。

圧倒的なそれなら中にあってさえ、俺の意識と視線は右隣の恋人へ向けられる。
いや、視線だけではなく、魂すべてが紫乃を求めてふるえているかのようだ。
神を賛美するその歌声は、俺の耳を擽りながらも凛と響き渡る。
跪き、机上に組まれたしなやかな指、俯き一心に祈りを捧げる横顔は
どんな名画の中の聖母や天使よりも、俺の視線を捕らえて離さない。

そんな姿を堪能している俺の視線を感じ取ったのか、ふと紫乃がこちらに顔を向け、
神々しいまでの微笑みを見せてくれた。
(ああもうノックアウト。その笑顔は反則だよ紫乃さん!
TPOも忘れて今すぐ抱きしめたくなるじゃないですか ^^;)


式の後半に差し掛かる頃“その時”がやってきた。
参列者は皆立ち上がり胸の前に手を合わせ、最初に全体で祭壇に向かって司祭に挨拶した後、
前後左右の周りの人々と互いに「Merry X'mas」と“挨拶”を交し合うのだ。
内心ほくそ笑みながら、俺はこの時間を待っていた。
昨年初めて参列した時に学習した知識をいかす時である。

俺も回りにならって、左や前後に軽く会釈の挨拶を送った。
紫乃は、とても丁寧に右隣→後列→前列と順に笑顔で挨拶を交わし、最後に左に立つ
俺の方に向き直った。
互いの視線が絡み合い、紫乃が微笑みながらこくんと会釈をした瞬間、
俺は、グッと紫乃を抱きめ、耳元に「Merry X'mas!紫乃」と、ささやいた。
「に、西脇さん//////」
紫乃の身体をすぐに開放すると、みるみる真っ赤になっていった。

その後の紫乃は、どこか上の空のようだったけど、さすがに聖体拝領の時には立ち直っていた。
席に戻り、跪いて祈るその姿に、俺はまた見とれてしまう。
紫乃の祈りが“神”に届けられるように、と、ガラにも無く俺も祈ってみたりした…

俺が、紫乃を席に座らせたかった理由の一つが、この“跪いて祈る姿”を
見つめていたかったからだ。 立ち席だと跪く事ができないからな。
神聖な場で、こんな不謹慎なコトを目論んでいたわけだ(^^;)



帰りの道すがら、ミサ中で抱きしめた事を怒られた(^^;) はははは
「ん、どうしあんな事をしたかって?」
「そ、そうです!! もう次からあそこの教会に行くのが恥ずかしいです///」
「だってね紫乃。 ハグしたりキスしていた外人さんは他にもいたよ♪」
そう、去年のミサの中でそんな光景を大勢目撃していたのだ。
だから、次に参列する機会があれば俺も…と目論んでいたワケだ(^ー^)ふふふv
「そ、それは、外国の方々だからですっ! 日本人は誰もっ///」
「でも、やったらダメなワケじゃないよねvv」
にっこりとそう問いかけると
「…/// …はい///」
と、肯定してくれた♪

「紫乃は嫌だった?」

「/// … いえ、嬉しかったです///」



俺が部屋で出勤の着替えをしていると、紫乃がおくれて帰ってきた。

あの後、議事堂近くのコンビニが見えてくると、予定通りまた別々に別れ、
俺はそのまままっすぐ帰り、紫乃はコンビニで買い物をしてから帰って来ることにしていたのだ。
「お帰り、紫乃」
「あっ、もうお出かけの時間ですか?! すみません、ちょっと買い物に時間をかけすぎました;;」
そう云って、紫乃は急いで買い物してきた物を冷蔵庫などに片付けた。
「ネクタイを結んでくれる?」
しおらしく強請ってみると、紫乃も素直に結んでくれた。
「ありがとv じゃ行ってくるね」
「はい、 いってらっしゃい。 お気をつけて…」
ドアの前まで見送ってくれる。

「お休み紫乃。 良い夢を…」

扉が閉まる直前、かすめるように柔らかく唇を盗んでみた。


こちらは、やはり初の“西やん視点”です

しっとりほのぼのを目指してみたのですが、
聖なる夜も、策士どのにかかると…(^^;)



天のいと高きところには神に栄光!
地には善意の人に平和あれ!

Merry X'mas!














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